2003年9月に、日本でのCFのDVD発売は中止になりました。 「こうなっては、フランス版DVDを購入するしかない」という方もおられるかもしれませんので、手持ちのDVDを簡単にレビューしましょう。
→(東映アニメーションクラシックス)
そもそもフランス版のDVDを日本のプレーヤーで再生できるのでしょうか?
海外版のDVDを輸入した場合、まず問題となるのが、「リージョンコード」というしくみです。
これは簡単に言うと、世界を6つの地域にわけて、輸入したDVDを再生できないようにするためのしくみです。
つまり、基本的にDVDは輸入したディスクを再生できないことになっています。
ところが、欧州と日本は同じ地域(地域番号2)に分類されています。
ですから、日本のプレーヤーで欧州のDVDは再生できるということになります。
しかし、実はまだ問題があります。
フランスのテレビはPALという方式を採用しており、日本のテレビ(NTSC)とは互換がありません。
つまり、DVD装置では再生できるのですが、これを日本のビデオやテレビは再生できないのです。
以上をふまえた上で、再生方法を考えてみます。
PCのDVDドライブとソフトウエアプレーヤーなら、おそらく問題なく再生できます。 PCのプレーヤーはPALでもNTSCでも再生するしくみになっているからです。 私のPCではWindows版のPowerDVDというソフトと、Linux版のgmplayerというソフトの両方で問題なく再生できました。
多くのDVDプレーヤーでは再生することができないでしょう。
あるものは「このディスクは再生できません」などと表示されるでしょうし、またあるものは音声は聞こえるものの、画面がちらちらと流れてしまって見えないでしょう。
どうしてもテレビで見たい場合、NTSC/PAL変換機能のついたDVDプレーヤーが必要になります。
この機能のついたDVDプレーヤーは多くありませんが、探せばけっこう見つかります。
まず手持ちのDVDプレーヤーにこの機能があるかチェックしてみるといいでしょう。
ちなみに、PS2はダメでした。
私はインターネットの通信販売で買いました。 会社は...今調べたら、なくなってました。 amazon.frなどでも扱っていますので、それ使うのが良いのではないでしょうか。 1タイトルに8話(最終巻は4話)が入っていて、全7タイトルが発売されています。 価格は各タイトル15ユーロですから、日本円でおよそ2000円といったところでしょうか。 (全話ボックスも発売されていますが、amazon.frでは在庫切れになっていました。) 全部買うと、16,000円です。日本語版が50,000円で発売予定だったこととを考えると、ずいぶん安いですね。
さて、次にソフトの内容を第1巻を見ながら詳しく紹介します。
パッケージはいわゆるトールケースという、日本でもおなじみの縦長のケースに入っています。 透明ケースでパッケージを開けた中からもコメット号のイラストが見えたりして、なかなかいい感じです。 ディスクは2層1枚で、これに8話が入っています。
画面1 | 画面2 | 画面3 |
早速再生してみましょう。 再生を開始すると、会社ロゴなどが表示された後、メインメニュー(画面1)が表示されます。 ここでは2つのエピソード(恐怖の宇宙帝王、嵐の海底都市)が選択できます。 エピソードのウインドウの中はアニメーションしてます。
エピソードを選択すると、サブメニュー(画面2)が表示されます。
上から、エピソード再生、チャプター選択、おまけ、次エピソードサブメニューへジャンプします。
2つめを選ぶと4話それぞれにジャンプできるメニュー(画面3)になります。
ここでもウインドウはアニメーションしてます。
このソフトはフランス語専用ですので言語切り替えメニューはありません。
字幕も入っていないので、選択メニューはありません。
それでは、本編をスタートしてみましょう。
画面4 | 画面5 |
画面6 | 画面7 |
感動のオープニング! でもなんか画面がとても汚いです。 場末の映画館で、レンズに埃が付いてるみたいな感じがします(画面4)。 ピントも甘いし、色も悪い(画面7)... 音楽はフランス語の全く別な曲に差し替えられています。 タイトルを連呼しピュンピューンみたいな効果音が入ってる、なんか凄ーく昔のSFって感じの音楽です。 まあ、そんなに嫌いじゃないんですが、やっぱり日本版の方が好きです。 タイトルも差し替えられてます(画面5)。 スタッフロールもフランス語になっています(画面6)。 なお、全編を通じて音声はフランス語モノラル収録のみとなっています。
画面8 | 画面9 |
嬉しいことに、本編に入ると、オープニングよりぐっと画質があがります(画面8)。
マスターが昔のフィルムであることを考えれば十分許せるレベルで、日本版がこの画質だったとしても、私は怒りません。
肝心の内容はどうでしょうか。
まず、各ストーリーのタイトル画面(「恐怖の宇宙帝王」より宇宙帝王現わる、みたいな画面)がまるごとカットされています。
ストーリー中の日本語字幕もそもままで(画面9)、フランス語字幕などは一切入っていません。
ざっと見た限り、他にはカットされたシーンはなさそうです。
BGMは基本的には日本と同じですが、一部(フランス版の)主題歌に差し替えられています。
日本語音声トラックなんかありませんから、もちろん全員フランス語でしゃべります。
なんかかっこいいです。
1話が終わると、唐突に次の話がスタートします。
エンディングは入りませんし、もちろん次回予告も入りません。
「前回のあらすじ」部分はカットされていません。
つまり、全編は
オープニング→1話→2話→3話→4話→エンディング
オープニング→4話→5話→6話→7話→エンディング
という流れになっています。
1話=1チャプターになっているので、好きな場面を見るために延々早送りしなくてはいけなくて、操作性は良くありません。 それに私のプレーヤーとは相性が悪いらしく、チャプタースキップすると変なところにいきなり飛んだりします。 このあたり、欧米版ソフトの品質の悪さが出てしまってます。
画面10 |
エンディングはオープニングと同じ音楽が流れます。 画質はオープニングと同じく最悪で、スタッフロールはフランス版に差し替えられています。 声優のクレジットはないみたいで、2つのエピソードで同じエンディング映像が流れます。
画面11 | 画面12 |
画面13 | 画面14 |
ついでに「おまけ」も見てみましょう。 CF関係では、テキストによる主要キャラクタの紹介画面があります(画面11)。 もちろんフランス語なので、なにが書いてあるか全くわかりません(画面12)。 嬉しいところでは、シリーズ全タイトルのトレーラー映像が見られるメニューがあります(画面13)。 関係ない所では、この会社から発売されている他タイトルの宣伝映像があります(図14)。 ちなみに、上から「未来少年コナン」「(宮崎駿版)名探偵シャーロックホームズ」 「San Ku Kai(「宇宙からのメッセージ 銀河大戦」?)」と、あとは良く知らないアニメでした。
以上がアニメシリーズ1巻の簡単なレビューになります。 最後に要点をまとめておきます。
次に日本でスペシャル枠として放映された「謎の宇宙船強奪団」のエピソードをそのまま収録したDVDを紹介します。
画面1 | 画面2 | 画面3 |
長いロゴをじっと耐えると、トップメニュー(画面1)が表示されます。 スペシャル版は、3トラックのフランス語音声と、嬉しいことに日本語音声も入っています(画面3)。 4つのチャプターに分けられており(画面2)、シーンへのアクセスはTV版よりは改善しています。 チャプターメニューでは日本語版エンディング曲がそのまま流れています。 それでは早速見てみましょう。
画面4 | 画面5 |
画面6 | 画面7 |
オープニングなしで、いきなり本編が始まります。 残念ながらこのディスクにはオープニングがまったく収録されていないのです。 しかし、最初から思いっきり日本語全開です。 フランス語は全くわからないのですが、なんとなくこの言葉、キャプテンが言ったことになってる様な気がするんですが(画面4)...もしそうだとすると、あんまりだ。 全般的に、画質は悪くありません。十分に許せる範囲です。 また、日本語音声トラックが入っていますので、安心して見ることができます。 しかし、私の環境では日本語音声のときはどうやってもフランス字幕をOFFにできませんでした。 フランス語音声では字幕が無くなるので、なにか方法があるのかもしれませんが、私にはわかりませんでした。 また、本編再生中に音声の切り替えもできませんでした。 こういう出来の悪さが海外版って感じです。 フランス語音声トラックはステレオ収録ですが、多くのBGMが差し替えられています。 本編の画質は良好で、タイトル(画面6)を含めてカットは内容です。 また、本編終了後はエンディング画面も日本語クレジット付きで収録されています。 ただ、曲はおなじみフランス語版のオープニング曲が流れます。
画面8 | 画面9 |
おまけは、ストーリー紹介、作者紹介、メカ、キャラクター紹介です。 全部1枚絵にテキストという簡単なものになっています。 なお、ここでのBGMは日本語版の「おいらは寂しいスペースマン」です。渋い!
以上がスペシャル版の簡単なレビューになります。 最後に要点をまとめておきます。