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日本の書籍について


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日本でのCF

 CFを最初に広く日本に紹介したのは、野田昌宏(のだまさひろ)さんです。 野田さんは、SFマガジン1963(S38)年9月号〜1965(S40)年5月号で、『SF英雄群像』(1969年2月刊行)としてSF作品を広く紹介する連載をされました。 そのなかで思い入れたっぷりに、CFを紹介したのです。 そして、野田さんは、後にCFの全長編の翻訳をすることになります。

 まず、「ハヤカワSFシリーズ」に3冊が翻訳され、ついで「ハヤカワ文庫SF13」として『キャプテン・フューチャー 透明惑星危機一髪!』が1970(S45)年12月31日に発行されています。

 以下に、日本におけるCFについて紹介します。

野田昌宏という翻訳者

 日本におけるCFを語るならば、野田大元帥のことを語らねばなりません。 「バロウズファンは武部ファンである」という言葉があります。 ターザン、火星シリーズをはじめ、バロウズの作品の多くの挿し絵を手がけた武部本一郎は多くのファンを生み、日本のファンはみな、武部氏の絵でバロウズの作品を空想したのです。
 その言葉を借りるなら「CFファンは野田ファンである」といえるでしょう。 「野田節」と呼ばれる大元帥の特徴ある文体はCFの世界の浪花節的な作風と非常によくマッチして、CFの世界を特に印象深いものにしてくれています。 カタカナや訛、それにちょっとだけ古ぼけた単語を織り交ぜた独特の訳文なしにはCFは語れません。 すでに我々は「野田節」でCFを想像しているのです。

 CF以外にも沢山の翻訳を行っている大元帥ですが、その「野田節」をとことんまで味わうならば、ライフワークともいわれている『銀河乞食軍団』シリーズを読むことをお勧めします。 その登場人物の生き生きとしていることといったら! これはCFシリーズの要素がパンパンにつまった日本のスペオペです。 (しかし!これも入手困難なんだなあ)

どうすれば読めるの?

 2004年12月現在、創元SF文庫でCFの復刊が進行中です。 2話を1冊に納め、最終巻まで刊行される予定となっています。 これを入手することをお推めします。
 この復刊は、復刊ドットコムでの皆さんの投票によるものです。

復刊ドットコムの投票結果

 投票された皆さん、交渉にあたられた復刊ドットコムの方、そして匙を投げたハヤカワに換わって素晴しい装丁の復刊をして頂いた創元社の皆様、ありがとうございました。
 それ以外のほとんどが、現在は絶版になっていまして入手困難です。 しかし図書館に蔵書されている可能性もあります。 まずは地元の図書館で司書さんに相談してみてはいかがでしょうか?
 少し高くなっても入手して読んでみたいという方は、 インターネットの古書検索サービス を利用してみてはいかがでしょうか。 ハヤカワのシリーズならば、ほとんどが1000円以下で入手できるはずです。